常念山脈(長野) 常念岳(2857m) 2021年7月17日  カウント:画像読み出し不能

所要時間 1:35 駐車箇所−−1:42 林道終点−−1:51 山ノ神−−2:00 古池−−2:25 大滝−−3:02 笠原沢−−3:39 最終水場−−4:11 常念乗越−−4:59 常念岳 8:23−−8:59 常念乗越−−9:27 最終水場−−9:54 笠原沢−−10:21 大滝−−10:38古池−−10:44 山ノ神−−10:48 水浴び 10:55−−10:59 林道終点−−11:04 駐車箇所

場所長野県安曇野市/松本市
年月日2021年7月17日 日帰り
天候梅雨明け直後の快晴!
山行種類一般登山
交通手段マイカー
駐車場「公式駐車場」より先にも林道沿いに駐車余地あり
登山道の有無あり
籔の有無無し
危険個所の有無無し
山頂の展望晴れれば文句なしの大展望
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コメント梅雨明け翌日の常念岳へ。湿った南西の風が予想され好展望は期待していなかったが、大快晴と雲海の少ない秋のような透明度の高い空気で奥日光までくっきり見えた。いよいよ夏山シーズン開幕で土曜日でもたくさんの登山者が登ってきた。駐車場も満車。下界は猛暑日




いつもの駐車スペース 林道終点のトイレ。人感センサでライトが自動点灯
4時前に東の空が明るくなる 常念乗越。まだギリギリでライトが必要な明るさ
常念岳を目指す先行者のライトの光が見える 横手山から日が昇りそう
土曜早朝でもこれだけテントがあった 朝日が差して赤く染まる
日の出は4時41分。志賀高原横手山から上がった もうすぐ山頂。数人の姿が見える
常念岳山頂 大キレット越しに見た加賀白山
常念岳から見た北アルプス(クリックで拡大)
常念岳から見た後立山
常念岳から見た頚城山脈と北信の山々
常念岳から見た東〜南の展望(クリックで拡大)
常念岳から見た西上州、秩父方面(クリックで拡大)。雲海が低くないと見ることはできない
常念岳から見た御坂山塊〜南アルプス(クリックで拡大)
常念岳から見た中央アルプス〜木曾御嶽(クリックで拡大)
常念岳から見た奥日光
前常念岳への稜線。おそらくたくさんの人が登っている最中だろう 大天井岳へと続く稜線
ミヤマダイコンソウ。そろそろピーク ミヤマキンバイ。開花し始め
クモマスミレ。多く見られる 雷鳥。少なくとも雛が一羽いた
テントの数はかなり減った イワウメはほぼおしまい
常念乗越のミヤマママコナ。まだ数は少ない 常念乗越
常念乗越から一ノ沢を見下ろす ウサギギク。常念乗越付近にある
ハクサンボウフウ。たくさん咲いていた 常念乗越東斜面はコバイケイソウ群生地
ゴゼンタチバナ 今年初のハクサンフウロ
マイヅルソウ。今は森林限界に近い場所しか咲き残っていない ミツバオウレン。もう残り僅か
イワカガミもほぼおしまい カラマツソウは真っ盛り
ニガナ
ヨツバシオガマは咲き始め 最終水場。豊富に流れていた
ヤマガラシ。もうおしまい ミヤマムグラらしい。クルマムグラに似ているが葉が4枚
オオバミゾホオズキ オトギリソウ。シーズンはこれから
ハクサンオミナエシ。まだ蕾 ヤマハハコ
何とかトラノオ。似た種類が多く私では同定不能(イブキトラノオ?) グンナイフウロ。一株しか見かけず
ニッコウキスゲ。まだ咲き始めで数は少ない 胸突き八丁。雪渓はすっかり消えていた
昨年までの記録ではイワイチョウと記したが誤り。葉の形状が異なる いつもの涸れ沢は水が流れていて多数の休憩者あり
ズダヤクシュ。標高が低い樹林帯に多い
タマガワホトトギス。沢の近くに生えている 山ノ神の一つ先の沢で水浴び
ガクアジサ ツリフネソウ。まだ咲き始め
林道終点。まだ登山指導所に人は入っていなかった 最後の路側駐車余地にも車あり
駐車箇所到着


・今年の関東甲信の梅雨明けは早くも7/16(金)となり、それまで寒気の影響で不安定だった天候も安定に向かった。九州、四国などは高気圧の縁で湿った風が入ってまだ雨が続いているが、東日本では久しぶりに週末は土日とも好天予想。どこに行くか悩んだが、一ノ沢を起点にして早く起きられたら大天井岳を、そうでなかったら常念岳に向かうことにした。

・今週は国道19号線の通行止めが解除され片側交互通行できるようになったので、篠ノ井から山越えする必要はなくなったが、通行止め箇所が長野市街地に近いので時間帯によっては渋滞する。夕方7時の時点では幸いにして松本方面は5分ほどの待ち時間で通過可能だったが、長野に向かう方向は笹平トンネルまで車の列が続いていたので通過にどれくらいかかるやら。早く全面復旧して欲しいものだ。現場近くの地滑りは国道には達しておらず、通行止めは念のための措置の可能性が高い。梅雨明けしてこれから雨は少なくなるのでリスクは低くなって工事もはかどって早期に規制解除されることを願う。

・一ノ沢沿いの林道には車の姿はほとんど見られなかった。「公式駐車場」は林道から少し下った場所にあるので駐車場の入り具合は林道から見ることはできない。いつもの駐車余地は既に2台の車が駐車。これらの車の駐車位置があまり良くなく、両者に挟まれた位置に私の車を突っ込んだが隙間が多い。どちらかの車がもっと端に寄せればもう1台駐車可能なのだが。

・さすがに梅雨明けして夜の気温が上昇し、虫よけのため少しだけ窓を開けた状態では社内の気温は25℃を越えていた。山の中の夜でも外気温は20℃前後だった。最近は登山口到着時は雨が降っているパターンが多かったが、今回は星が見えていた。

・久しぶりに爆睡して夜中1時のアラームで目が覚めた。この時間から準備して歩き出しても常念岳山頂でも日の出には間に合わないくらいなので、今回は大天井岳は諦めて常念岳を目指すことに決定。早い朝飯を食って1時半過ぎに出発した。頭上は満天の星空であった。

・林道終点から登山道に入ったが、いつもは涸れている最初の沢で水が流れていたので沢の水量は多いようだ。梅雨明け直前まで毎日のように雨だったからなぁ。山ノ神も水浸しで3週間前よりもずっと水量は多く、登山道上も前回は流れが無かった場所で水の流れあり。でも梅雨明けしたのでこれから徐々に乾いていくだろう。まあ、水があっても大した障害にはならないので構わないけど。いつもなら涸れた大きな沢に水が流れており、登りで休憩するのにちょうどよく、下山時にはたくさんの人が休んでいた。でもこの天気が続けば来週には水が涸れているだろう。

・夏山シーズンだと私のように真夜中から歩いている登山者が少なからずいるのだが、この日は前後には私の他にライトの光は見えなかった。

・さすがにルート途中の残雪はきれいさっぱり消えてなくなっており、笠原沢や胸突き八丁の雪も消えていた。

・最終水場で水を100ccほど補給。昨夜は暑かったが今朝は思ったよりも冷えていて気温は+10℃前後。谷筋なのに風があって少し寒いくらいであった。この状況ならほとんど水は消費しない。帰りもこれくらい涼しければいいのだが、日が高くなると暑くなるだろう。長野市の予想最高気温は+36℃の今年初めての猛暑日となっていた。

・最終水場から常念乗越までの斜面のジグザグ道では風が無くなって適温だった。これだと常念乗越から稜線に出ると風が強いかも。今日は暑くなりそうな予報で防寒装備は減らしたので、思ったより風が強くて体感温度が低いと寒い思いをするかもしれない。

・常念乗越が近付いて常念岳山頂への登山道が見えると2つの光が既に真ん中より上に見えている。あの光の主は山頂で日の出が見られそうだが、こちらは4時ちょっと過ぎで常念乗越なので山頂で日の出を迎えるのは無理だろう。既に東の空は明るくなり、森林限界ではもう少しでライト不要な明るさになるところだ。

・常念小屋のテント場にはいくつものテントがあった。天気は昨日から回復する予報だったので、金曜日から入山している人が結構いたようだ。風は弱く半袖半ズボンのまま歩いても寒くはない。3週間前は風が強くて気温は低めで寒かったけどなぁ。上空は快晴で安曇野の雲海は低く、東の空には浅間山、四阿山から志賀高原の山々がはっきりと消えていた。そして鳥居峠の向こうに見える緩やかな三角形のピークは日光男体山に間違いない。あそこまでの直線距離は180km程度あったはずで、これだけはっきり見えているということは今日は空気が乾燥して透明度が良く、夏の天気というより秋の天気に近いようだ。

・山頂までの石がゴロゴロした登山道を上がっていく。先行する2人を追い越した先にはしばらく人影は見えなかった。

・山腹で日の出を迎えた。この時期の日の出は4時半くらいで、志賀高原の横手山から日が出てきた。東の空の低い位置に雲が無いのは夏場では珍しく、志賀高原の山から太陽が上がってくるを見ることができたのはラッキーだった。

・朝日で赤く染まった登山道を上がれば常念岳山頂。山頂で日の出を見た登山者の中には既に下ってきた人もいた。私が山頂に到着した時には先客は3人ほど。南東の風がややあり、今の姿では寒いので防寒装備として持ってきたゴアも着用。毛糸の帽子も役に立った。

・天候は文句なしの快晴! 通常、夏場は安曇野側は一面の厚い雲海に覆われていて、場合によっては標高2000mを越える志賀高原の山々も雲海に沈んで見えないことが結構あるが、今日は秋のような天気で雲海はあるものの低くて薄く、市街地が見えるくらいだ。雲海が低いので美ヶ原の王ヶ頭のTV塔もデジカメ写真にしっかり写っていた。飯綱山も雲海から頭を出していた。そして未だに奥日光から足尾の山々がはっきりと見えている。もちろん南アルプスも中央アルプスに隠れるぎりぎりの深南部の黒沢山までよく見えている。恵那山や阿寺山地も雲海より高い。当然ながら近場の北アルプスはすっきりと見えている。これだけよく見えるのは夏山シーズンでは非常に珍しい。天気図的には南西の湿った風が入って空気の透明度が悪そうに思えたが、本州中部は高気圧の中心に近くて影響が少なかったようだ。それでもラジオでは九州、四国で大雨との情報。ここのところは朝のラジオは3週連続で大雨情報だなぁ。

・さすが梅雨明けしただけあり今日は続々と登山者がやってくる。常念小屋に宿泊して蝶ヶ岳方面に縦走していくものや、私のような日帰り登山者も。中には中房温泉から縦走してきた人もいた。入った時にはまだ天候不安定だっただろう。

・今回は山頂には3時間半以上の滞在。最初は風もあって寒かったが日が高くなると風も弱まり適温に。日中には暑いくらいになりそうだがこちらはその前に下山開始だ。9時前に下り始めたが雲海の雲が上がってくるどころか、逆に雲海は更に薄くなっていた。おそらく今日は午後になっても山頂がガスに覆われることはなさそうだ。展望が得られるのはいいことだが、テント泊だと日が陰るまでは暑すぎてテント内に入れないだろう。今日はテント場は混雑しそうだ。

・下山時は特に常念乗越〜胸突き八丁までの間ですれ違った人の数が多く、道が狭くてずっと待避状態が続いたことも。すれ違った人数はおそらく100人を超えていただろう。梅雨明けして好天の週末なのでこれが正常な姿だろう。まだコロナ禍が続くが昨年よりも登山者数は確実に増えている。

・帰りは高山植物を探しながらのんびり下った。森林限界以上ではミヤマダイコンソウが真っ盛り。ミヤマキンバイは完全に花が開ききっていないが、来週には満開状態になりそうだ。クモマスミレも今が盛り。イワウメはもうおしまい。常念乗越付近では僅かながらミヤマママコナが咲きだしていた。

・常念乗越から樹林帯に下るとウサギギク、ハクサンフウロが登場。ゴゼンタチバナ、マイヅルソウが咲いているのもこの付近で、標高が低い場所ではもうおしまい。イワカガミは森林限界も樹林帯もほぼ終了。ミヤマカラマツはちょうど真っ盛り。白い小さな花が密集した花は先週は名前が分からなかったが、ネットで散々調べてハクサンボウフウだと判明。盛りを迎える直前くらいかな。ここはカニコウモリが多いがまだ蕾だった。カラマツソウ、ニガナも多く見られた。ヨツバシオガマは咲き始め。

・最終水場付近のヤマガラシはそろそろおしまい。胸突き八丁にかけての高巻き斜面ではカラマツソウ、ミヤマカラマツが盛り。オトギリソウ、ヨツバシオガマ、ヤマハハコ、ニッコウキスゲなどが咲き始めていた。ハクサンオミナエシはまだ蕾。少数派だがグンナイフウロもあった。ここでは多数派のセンジュガンビはまだ影も形も見当たらない。あれは9月でも咲いている花なので、咲き始めは遅いようだ。花としては地味だが〇〇〇トラノオあり。〇〇〇にはイブキかムカゴが入るのだが私には見分けがつかない。黄色いラッパ状の花のオオバミゾホオズキは水が多い場所に咲いていた。

・胸突き八丁から再び一ノ沢に沿って下っていくと笹が登場し、花はぐっと少なくなる。往路では気付かなかったが青紫色のウツボグサがまとまって咲いていた。目立たないが標高が落ちるとズダヤクシュが見られた。一ノ沢に流れ込む支流付近ではタマガワホトトギスが咲いていた。林道近くまで下るとツリフネソウの赤い花。下界ではもうシーズンオフだが山ではガクアジサイがまだ咲いていた。

・山ノ神を通過して次の沢で登山道を離れて水浴び。さすがに梅雨明けして日中は気温が上がり、帰りは汗だくになったので水浴びは必須だ。今回は扇、濡れタオルと冷却グッズが活躍した。そういえば下山中に扇を落として探しに逆戻りしたなぁ。ロスタイムは数分程度だったので大きな被害にはならなかった。

・林道終点の登山指導所は梅雨明けしたのにまだ無人だった。人が入る基準は梅雨明けではなく決まった日なのかもしれない。下山する登山者が予約したものかタクシーが待っていた。これからの週末はタクシーで賑わいそうだ。

・夜中の出発時は駐車した車は少なかったが、帰りにはあちこちに車を見かけた。「公式駐車場」付近は路側までいっぱい。結構下の方まで駐車余地が埋まっていたが、公式駐車場より上の駐車余地にはまだ数台の空きがあった。私のような地元民ならどこに駐車可能な場所があるのかよく知っているが、百名山の常念岳は全国区の山で各地から登山者がやってくるため、駐車場所の詳細を知らない登山者が大半であろう。公式駐車場より上部にも駐車可能な場所が点在し、合計で数10台前後は駐車可能であろう。よほど迷惑な場所に駐車しない限りは警察に取り締まられることもないだろう。私は一ノ沢の林道で取り締まりが行われているのを見たことは無い。

 

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